多様性の受容と醸成について
■多様性尊重と職場環境
10月の27日に「多様性尊重に疲れるとはという」テーマで投稿しましたが、ほぼ同じ内容をリンクドインに投稿したところ、コメントを頂戴したので今日はそのことでお話をしてみたいと思います。
いただいたコメントはこちら↓↓↓
「以前勤務した会社がセクシャルマイノリティの方も就労しやすい会社と看板を上げて求人したところ、マイノリティの方が勤務されていましたが、職員の研修が全くなく人権無視をして悪口を言うような方がいて、すごく嫌な雰囲気になりました。少なくとも教育が必要だなと思っていますし、トラブルが起きたときのフォローや再教育も必要だなと思います」
今非常に人口減少が進む中での人材確保というところが、企業様では困られている、困難になってきているというところがあって、マイノリティ属性、要するにセクシャルマイノリティの方だけではなく女性それから障害者など他のマイノリティ属性を持っていても働きやすいそういう先進的なイメージを持って採用活動を進めている企業様がとても増えていると思います。
多様性尊重の取組は、本来は、誰もが働きやすい職場を作って多様性を認め合う組織風土を実現することですが、コメントにあったように研修一つない会社でそれが実現できるかというと、そこはやはり厳しいだろうなと思います。
どこの企業様でもそうですけれども、ダイバーシティインクルージョンの取り組みを始めようと考えたときどこがゴールだろう何をどうすればよいのだろうそういうところで悩まれることが多いんじゃないかなと思います。
■組織全体での啓発と研修
そこで必要となってくるのが、まず知ることです。
経営者層の研修もそうですし、ダイバーシティ担当者の、研修・採用者研修、一般職の研修なども含めて組織全体で知ること。
そしてトップからの発信というのもとても重要になってきます。
さらに企業ポリシーへ明文化すること、ホームページや募集事項への明記など、発信するということが非常に重要です。
■セクシャルマイノリティへの対応と支援
次に整える社内規定の整備であるとか各種福利構成制度の適用など、これは各企業様で考えていただかなければなりませんね。例えばセクシャルマイノリティの方のために福利構成制度を適用させるとしたら、結婚祝い金であるとか転勤の際の帯同費用、そして子育て介護に係る制度の適用などが考えられます。
さらにそこから一歩進めて「聞く」ということこれは相談窓口の設置ですね。社内のものと社外のものと2つ窓口があるのが理想的です。
そしてカミングアウトしている社員との対話。
茶話会の開催とか、そんなふうに聞く機会を設けるということがとても大事になってきます。
さらにセクシャルマイノリティの方たちに、まず支援をするという考え方をやめてほしいなと思います。
当事者の方たちは支援を必要とする人たちではなく、身近にいる大切なスタッフであり仲間であるからです。
当事者の方が望んでいるのはLGBTQ非当事者と同じ対応ということです。それが自分らしく働くということにつながるからです。
知ること、そして発信すること。知っていること聞くことのサイクルを回していくことで組織風土の醸成を図って組織の中にALLY(アライ:理解する人)を増やしていくことが大切です。
■ダイバーシティとインクルージョン
皆さんPDCAサイクルというのをご存知だと思います。
もう、ちょっと古い。時代遅れだなんていう声もありますけれども、プロジェクトが目標達成に向けて業務を回す段階にある場合には非常に有効です。
私たちにとってのプロジェクトは、多様性の尊重、ダイバーシティインクルージョンを進めていくとき、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見・思い込み)これに気づいて意識化して対応していくこと。
インクルージョンの実践、全てのメンバーが平等に参加できる環境をつくっていくときに同じような回していく仕組みが必要になってくるのです。
多様性トライアングルという同じように使って多様性に向けた組織内の体制づくりを評価するためのツールがあります。
知ることから始まってこうして継続的に多様性尊重を向上させるためのフィードバックループの構築が可能になるということを知っておいていただけたらと思います。